老後生活の生活費で大きな問題となるのは住居費用があります。
現在、老後の生活費で最低限必要とされている費用は11万円、また平均的な生活での必要な費用は16万円とされていますが、この計算での住居費は2万円となっています。
この部分が2万円となっている理由は「持ち家での計算」がベースになっているからです。
実際に月に2万円の住居費なんて賃貸は当然難しい問題です。
2万円の家賃の住居なんて・・・ありません!
そうなるとやはり、中古マンションでもいいので持ち家が必要となるのでしょうか?
今回は50歳から老後までの「持ち家と賃貸の場合の住居費用を比較」し、いったいどちらが得なのか?
賃貸がいいのか?持ち家がいいのか?を徹底比較し検討します!
平均寿命から計算する50歳からの住居費
住居の事を考えるうえで、まず前提条件で必要となるのが、50歳から老後までの期間は何年間となるのか?
その老後の期間の予想です。
平成29年(2017年)簡易生命表によると、日本人の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.26歳で、2016年と比較して男性は0.11年、女性は0.13年上回りました。
男女の差があるので男女合算し平均して84歳を平均寿命とします。
そうなると50歳から老後までの期間は、34年間となります。
老後の期間は34年間!
そういうことで、ここからは結果的にこの34年間にかかる住居費をベースとして試算していきます。
賃貸の場合の50歳から老後の住居費用は?
まずは50歳からひとり暮らしの場合の賃貸での住居費を計算します。
ただし家賃がかなりばらつきがあるので、家賃5万円の場合と4万円の場合で試算してみました。
家賃によって変わるとはいえ34年間という長い期間住み続けるとなると、400万円近い差額が発生します。
ただこの費用を賃貸で払い続けるのなら、中古マンションでもいいので持ち家のほうが有利な気もしてきますね。
では持ち家の場合はどうなるのでしょうか?
50歳から持ち家の場合の住居費用は?
持ち家の場合も、一戸建てを買うのか?中古マンションにするのか?
東京都内に住むのか?それとも田舎に住むのか?などの条件で大きく変わります。
また2019年から徐々にマンション価格も下落の兆しが見えてくるとも言われているので、購入費用を一概には決めることはできませんが、地方でのワンルームの場合は中古で800万円~1000万円ほどではないでしょうか?
ここでは計算しやすく購入費用を格安で中古物件を購入したとして900万円とします。
【持ち家は固定資産税が必要】
また持ち家の場合は固定資産税がかかるので、900万円の不動産の場合はおおよそで10万円程度の固定資産税が目安と思われます。
そうなると34年間住み続けると固定資産税として340万円の資金が必要です。
【修繕費も必要】
また持ち家の場合は修繕費もかかってきます。
34年も住めば修繕する場所は山ほど出てきます。
その場合は月に5000円の修繕費で考えると年間6万円です。
34年間住むと考えるとトータルで204万円となります。
ここで持ち家の場合の住居費を整理します。
持ち家の場合は。34年も住むと多少のリフォームも必要とされるので、想定外の費用も掛かってきそうですね。
持ち家と賃貸の住居費用の比較
家賃4万円の賃貸の場合は住居費は1632万円となり、900万円の中古マンションなどの住居費は1444万円ちなるので、若干持ち家のほうが良い結果となりますが、34年間という期間で見るとあくまでも誤差の範疇と言えます。
もちろん中古住宅は資産として残りますが34年住んで住宅の価値はどうなるのでしょうか?
確かに持ち家のほうが費用的には条件は良いですが、ただし一度購入すれば引っ越しも無理なので、ご近所様との問題もあるし何かと小回りが利きません。
逆に賃貸の場合も、50歳を過ぎて賃貸の契約をするには何かと問題も出てきます。

高齢になって賃貸契約をするのは難しいんだよ
そう考えると老後の一人暮らしの場合は、賃貸も持ち家も大きな差はないように思えます。
持ち家か賃貸かを決める決め手はライフスタイル
調査によると持ち家世帯率はこの30年で大きく低下しています。
ここ30年で50代以下での持ち家比率が大きく低下し賃貸住宅の需要が伸びています。
【賃貸住宅の需要が伸びている理由】
その理由は都市部における住宅価格の高騰です。
それ以外にも非正規雇用の方が増えていることや、ボーナスなどでインセンティブの割合が増えることで給与が安定しないなどの収入面での問題も理由となっています。
そして何よりも大事なのはライフスタイルの変化です。

住居に縛られずに自由に生きたいから賃貸が便利!
多額のローンを抱えた生活をするよりも、今の若い世代の方は、自分の趣味や生活スタイルの合わせてお金を使いたいと思う人が増えています。
そんな自由な生活スタイルの方にとっては賃貸住宅で十分と言えます。
また収入が安定しない最近の経済情勢を見ても、今後も50代以下の賃貸派は増えてくるものと予想されています。
将来の住居を決めるポイントは?
将来の住居費は老後の生活で大きなポイントになりますが、結果的には・・・
①住居ではなくお金を残すか?
②まずは住居を確保するか?
この2択になります。
自分の収入やライフスタイルをしっかりと考えた上で計画を立てることが大切です。
いつも応援ありがとうございます。